託された（覚え書き2）

護り続けよう。

管理人のつぶやき


初めて会ったのは、島を訪れてすぐ。
手持ちの無い私に、手を貸してくれた。

無いものがあると、すぐに手を回して
集めてくれた。
主はなんでもやってくれた。

このまま時が流れると思っていた。
ずっと同じ日々が続くと、勝手に思っていた。

でも

ある日突然、主は姿を消した。
メモすら残さず。
娘も、従者も全て連れて。

どうして？　どこへいったの？
これからどうすればいい？
その時私は解らなくなった。

私の力じゃ、どうする事もできない。

そして

何かが、崩れた。
それが何なのか、解らない。
でも、このままじゃいけないと思った。

私はたくさんの人の力を借り、
たくさんの事を経験した。
沢山のものを、得た。

しかし、
時々、何かが足りないと感じる。
何が足りない？

解ラナクナル。
忘レテシマウ。

思イ出セ

そこで管理人は、私に命じた。
「Protect this until a master comes back.」
（Protégez jusqu'à ce qu'un maître revienne.）

「Certainly.」
（Oui, madame.）

私は応えた。
忘レナイ為ノ、楔トシテ。

いつまでも、待ち続ける。
帰ってくる日を、いつまでも。
モウ帰ッテコナイト、解ッテイナガラ――